福岡市へ 桧原桜を観に

福岡市内の病院にご入院中の患者さまと、桧原桜を観に行きました。

ご入院中の奥様に、
「想いがたくさん詰まった桜を、最後に見せてあげたい。」とご主人様からのご依頼です。

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桧原桜とは・・

昭和59年3月、福岡市南区の一隅にある樹齢50年のソメイヨシノ9本が、道路拡幅工事により伐採されることになりました。

毎年、地元の方々が開花を楽しみにしていたその桜は、
桧原桜と呼ばれていました。

9本のうち1本が伐採された翌日未明、1人の住民が桜に歌を下げて、市長に[最後の花をさかせて]と嘆願しました。

この短歌がきっかけで、道路拡幅工事計画は一部変更され、8本の桜が命永らえることとなりました。

このときの住民が、ご主人さまです。

介護タクシーで病院を出発してからは、
青空がひろがり、暖かい日差しにつつまれました。

外に出ると、見事な花吹雪で・・

桜の花びらがまるで、「お帰りなさい」と言っているようでした。

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ご主人は、
「90年間生きてきて、こんな素晴らしい時間は初めてです。」と、涙を流されました。
お付き添いさせていただいた看護師スタッフも涙がながれました。

ご主人が以前、市長にあてた「最後の花を咲かせて」の歌の言葉が今は、奥様にあてた最期のラブレターのようでした。

「花あわれ せめてはあと二旬 ついの開花を許し給え」

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