痰吸引が必要な方と大阪へ|医療的ケアに対応した介護旅行事例

昨年、日帰り旅行をご利用いただいたY様。
今回は1泊2日の大阪旅行のご希望をいただきました。

今回のサポートは、医療的ケアに対応するため“同行スタッフ2人体制”。
出発当日の朝は、看護師スタッフがお迎えにあがり、まずは新幹線で博多から新大阪へ。
多目的室を利用し、体調の変化に注意を払いながらの移動です。
新大阪駅では、介護福祉士がホームでお迎えしました。

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大阪はあいにくの雨模様。
駅で息子様お二人と介護タクシーに無事合流できたものの、乗降場の使用制限や、急な痰吸引などもあり、少し予定を調整することに。
タクシーに乗り込んだ時は、ほっと胸をなでおろしました。

最初の目的地は「大阪市役所前」。
万博会場にいたミャクミャクがここに戻っていると聞き、まずは会いに行くことにしました。
それまで降っていた雨が、車を降りる頃には奇跡のように止み、空が私たちを歓迎してくれたようでした。
写真を撮る人々の笑顔からも、ミャクミャクが多くの人に愛されていることが伝わってきます。

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次に向かったのは「万博跡地」。
移動中は再び雨が降っていましたが、着く頃にはまた止むという不思議なタイミング。
まるで大阪がY様を歓迎してくれているかのようでした。

東ゲート周辺はすでに柵で囲まれていましたが、少し離れた場所から大屋根リングを眺めることができました。
夢洲駅に下りてみると、そこにはまだ万博の余韻が残っており、人の少ない今だからこそ、駅の装飾や雰囲気をじっくり味わうことができました。

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夕方が近づき、この日はホテルでゆっくり過ごすことに。
到着すると、ご家族様と“サプライズゲスト”のお友達が出迎えてくださいました。
さらにもう一つのサプライズ——
数日前にお誕生日を迎えられたY様の『還暦祝いパーティ』が準備されていたのです。

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家族、ご馳走、笑顔、旧友とのビデオ通話、そして赤いちゃんちゃんこ。
どの場面にも愛と祝福の気持ちが溢れていました。
私たちスタッフ2人も同席させていただき、心から温かい時間を共有できたことを嬉しく思います。

夜間はご家族様が交代で見守ってくださり、穏やかな時間が流れました。
Y様がどれほど大切に思われているか、その姿に何度も胸が熱くなりました。

翌朝は快晴。
この日は道頓堀を訪れ、にぎやかな大阪の街を散策しました。
お友達も合流し、笑顔が絶えないひととき。
お土産をたくさん選ばれるY様の姿からも、周囲の方々への思いやりと優しさが伝わってきました。

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楽しい時間は本当にあっという間。
帰路の新大阪駅では、看護師スタッフを除きお別れです。
息子様は何度もお礼の言葉をかけてくださいました。

今回のご旅行は、いつも以上に事前準備を重ねました。
同行スタッフ2人だけでなく、計画や手配を担当したスタッフも加え、三人で細かく情報を共有。
閉幕直後の万博は情報が少なく、問い合わせても詳細が得られず苦労しましたが、最後は友人や関係者の口コミが大きな助けになりました。

また、お住まいの施設職員様の丁寧な情報提供や引き継ぎ、ご家族様・お友達・介護タクシー・ホテル・お店の皆様の協力…。
本当に多くの方の支えがあってこそ実現できた旅でした。

愛に包まれた2日間。
Y様の笑顔、そしてご家族やご友人の想いに触れ、私たちもたくさんの温もりをいただきました。
大切な時間をご一緒できたこと、心から感謝しています。

今回のサポートにおける専門的アセスメント(振り返り)

  • ご旅行前の事前アセスメントについて
    今回のご旅行は、呼吸器管理・痰吸引・経管栄養などの医療的ケアを伴うご宿泊であったため、ご旅行前にご本人様の身体状況や使用医療機器、介助方法についてご入居施設様にご協力いただきながら詳細な打ち合わせを行いました。
    車いすのサイズや移乗方法、ケア体制、呼吸器の設定内容、バッテリーの駆動時間、吸引やパッド交換の頻度などを確認するとともに、新幹線多目的室や介護タクシー車内、ホテル客室での電源確保についても事前に調整しています。
    また、整容や更衣介助の方法、ご家族との役割分担、必要物品の持参方法なども細かく確認したうえで当日の支援体制を構築しました。
    医療的ケアを伴うご旅行では、当日の対応だけでなく、ご旅行前の詳細な情報収集と関係者との打ち合わせが安全な旅行の土台になることを改めて実感したケースでした。
  • 医療的ケアを伴う長距離移動について
    今回のご旅行では、呼吸器管理、痰吸引、経管栄養、血糖測定やインシュリン注射などの医療的ケアを継続しながら、新幹線を利用して長距離移動を行いました。移動中はSpO2や脈拍・呼吸などの状態を確認しながら、吸引やパット交換、体位調整を適宜実施しております。呼吸状態は終始安定しており、大きな体調変化なく目的地までご移動いただくことができました。
  • 呼吸器・吸引器の電源管理について
    今回のご旅行では、呼吸器および吸引器ともに内蔵バッテリータイプの機器を使用されていました。長距離移動や宿泊を伴うご旅行では、移動中や滞在中も安定して医療機器を使用できるよう、機器の種類や充電可能な環境を事前に把握しておくことが重要なポイントとなります。
    新幹線の多目的室、介護タクシー車内のインバーター電源、ホテル客室のコンセントなどを活用できるよう事前に確認を行い、必要に応じてその都度医療機器の充電を行いました。また、列車の遅延や万が一の停電、予定変更なども想定しながら、バッテリー残量に余裕を持った運用を心がけることで、安心してご旅行を続けていただける環境づくりに努めています。
  • ご家族・看護・介護との連携について
    今回は看護師スタッフと介護福祉士スタッフの2名体制で対応し、ご家族様、施設職員、介護タクシー事業者、宿泊施設など多くの方々と連携しながらサポートを行いました。施設では出発前にケア内容や医療機器の使用方法について丁寧な申し送りをいただき、ご家族様にも夜間の見守りや吸引対応にご協力いただくことで、いつもとは環境が異なるご旅行先でも安心して過ごしていただける環境を整えることができました。
  • 状況変化に応じた行程調整について
    新大阪駅では乗降場所の変更や雨天による影響など、複数の調整が必要となりました。その都度、ご本人様の体調やご希望を確認しながら無理のない範囲で行程を調整し、万博跡地やミャクミャクとの記念撮影、道頓堀散策やお買い物などを楽しんでいただくことができました。
  • ご旅行全体を通して
    今回のご旅行では、ご家族やご友人との還暦のお祝いの場が設けられ、多くの方々に囲まれながら特別な時間を過ごされました。医療的ケア、移動支援、排泄ケア、栄養管理、夜間対応など多くの医療的支援を必要とするご旅行でしたが、ご家族・看護・介護スタッフの連携により、大きなトラブルなく2日間を終えることができました。
    ご家族やご友人との再会を喜ばれる皆さんのご様子やご本人様の表情が印象的で、人生の節目を祝う大切な時間となっていましたら幸いです。

宿泊を伴うご旅行や、看護師・介護福祉士が同行する介護旅行をご検討の方は、有資格者がサポートする介護旅行についてもご覧ください。